散気管選びのポイント(6)|エアーが片寄って流れる危険

散気管選びのポイント


散気管選びのポイント(6)

エアーが片寄って流れる危険

OHRエアレーターのコピー品・類似品を導入したユーザーの声

OHRエアレーターのコピー品・類似品を導入したユーザーから、「設置した一部の散気管からまったくエアーが出ない」(実例1参照)とか、「水面がシーソーのように大きく揺れて、エアーが不均等に吐出される」(実例2参照)といった報告を受けています。

実例1

左側の図では散気管が6本設置されていて、その中心にエアー供給配管が接続されています。
接続箇所に近い散気管(No.2, 3, 4, 5)には多くのエアーが供給されますが、遠い散気管( No.1, No.6)には十分なエアーが供給されません。
右側の図では散気管が7基設置されていますが、先ほどと同様に、垂直のエアー供給配管から離れるにつれて吐出されるエアー量が減少します。

エアーが偏って吐出される実例1図解

実例2

この図では散気管が6本設置されていて、その中心にエアー供給配管が接続されています。
ブロワーを動かしてしばらくすると水面がシーソーのように大きく揺れ始め、片側の3本からのみエアーが出て、その直後に別の3本からのみエアーが出て、またその直後には・・・、という具合に、不均等吐出が繰り返されます。

エアーが偏って吐出される実例2図解

通気抵抗が小さい = エアーの片寄り流れが起きる危険性が高い

エアー吐出口が大口径の散気管(縦型散気管)は、通気抵抗がとても小さいため、設置本数が複数になると、エアーが片寄って流れる危険があります。例えば当社の散気管「OHRエアレーター」の通気抵抗は、世界で最も小さく、わずか20~30mmAq(2~3cmの水深分の抵抗)しかありません。極端に小さい通気抵抗は、ブロワーに無駄な負荷を掛けず最小の空気量・電力で済むという面ではメリットですが、その反面、エアーの片寄り流れが起きやすく危険でもあるのです。これは表裏一体の関係です。

OHR社では、独自の計算式に裏付けられた配管構成を必ずお示しし、そのとおりに施工いただくことで、すべてのOHRエアレーターから均等にエアーが吐出されることを請け負っています。しかし、コピー品や類似品のメーカーにはそのようなノウハウがないため、エアーが不均等に出るリスクが常に付きまとっています。
いったんエアーの片寄り流れが起きてしまったら、大規模な修正工事を行なわなければなりません。
なぜ通気抵抗が小さいと、エアーが不均等に出る危険性が高いのか、以下の図でご理解ください。

エアーが偏って吐出されるメカニズム

エアーが付近等に出るメカニズム図解

ブロワー始動前は、配管内が水で満ちている

ブロワーからエアーが送られ、エアーは配管内の
水を押しのけながら散気管を目指す

まず、もっとも近い散気管からエアーが出る

続いて2番目、3番目と順にエアーが出る

末端の散気管になると、配管内の水を押し出せず、
エアーが出ないor少量しか出ない

槽内を均等に撹拌できず、処理不良の原因になる

ポーラスディフューザー(多孔質散気管)は、エアーが均等に出やすい

一般的な散気管(ポーラスディフューザー)は、数百ミクロンの微細な無数の穴からエアーが吐き出される構造となっているため通気抵抗が非常に高く、新品時で500mmAq(水深50cm分の抵抗)ほどもあります。
エアーはまず、通気抵抗が少ない配管・散気管の内部に溜まり、その後で一斉に微細な穴を押し広げて外に出ていきます。
だから、配管構成にそれほど気を付けなくてもエアーは均等に出ます。
(もちろん、ポーラスディフューザーのエアー均等吐出は新品時の場合でして、目詰りが進むと、エアーが良く出る散気管と、まったく出ない散気管に分かれます)

OHR社は独自の計算式を基に計算を行ない、エアー均等吐出を完全に請負います

OHRエアレーター(その他、エアー吐出口が大口径の散気管)の配管設計は、通気抵抗の大きい従来型散気管に比べてはるかに難度が高く、ミス無くこなすには高レベルの計算が必要不可欠です。OHR社は、確立された独自の計算式を基に設計計算を行ない、OHRエアレーターの設置本数が何百本となっても、均等にエアーが吐出されることを完全に請負います。
つまり、「OHRエアレーター」と「エアー均等吐出のための計算式」は、密接不可分の関係なのです。